高度な温度予測と制御により実機計測時間を短縮
課題
ある大手自動車OEMは、永久磁石同期モーター(PMSM)のキャリブレーションシステムの開発をSecondmindに依頼しました。その目的は、目標トルクに対する電流を最小化し、あらゆる速度や負荷条件において効率を最大化することで、最適なキャリブレーションマップを自動作成することでした。
キャリブレーション工程では、さまざまな条件でモーターの測定を行いますが、測定を続けるとローターの温度が上昇しトルクが落ちるため、エンジニアは測定サイクル毎にローターが十分に冷えるのを待つ必要がありました。
ソリューション
SecondmindはOEMと協力し、以下のソリューションを開発しました。
- 高度な温度予測・制御アルゴリズムにより、データ測定における冷却待機時間を最小化
- 物理特性式をAIモデルに組み込み、高精度なモデル機能を実現
- 大きな過渡条件を回避し、高速なデータ測定を実現
- モーター速度、DC電圧、電流振幅、電流位相角、ローター温度、DC電流などの複数の制御パラメータを最適化
効果
- 日単位でかかっていたキャリブレーションマップの作成を、数時間単位に短縮し、テストベンチの使用時間を最小化
- 高精度なキャリブレーションマップを作成して、モーターとインバーターの効率を最大化し、航続距離延長などのEV性能向上に貢献